カーテンから漏れる柔らかい陽射しに目を覚ます。
珍しくすっきりとした気分である。
布団の中で足をぎゅうっと伸ばし、噛み殺すような欠伸を一つ。
上半身を起こすとかさりとシーツが音を立てる。慌てて息を呑み、啓太は横の様子を窺った。
すーっ、すーっ。
隣で上半身裸で寝ている彼の、薄く開かれた唇から漏れる規則正しい寝息。
ちょっとした音でも直ぐに目を覚ましてしまう彼が今朝は起きる気配がないという事からも、相
当疲れがたまっているのが分かる。
厳しい顔で秘書に指示を出している理事長の姿も。
自分と同じ制服を着て授業を受けている学生の姿でも。
どちらのバージョンでも常日頃からカッコいい、って思っているけれど。
実はこの「寝顔」が啓太のお気に入りだったりする。
普段は殆ど隙が無い彼の無防備な姿。それを自分だけが見ているという幸福。
顔が緩んでしまっても仕方が無い。
「すー・・・すー・・・」
(やっぱり和希って・・・本当にカッコいいよな)
「すー・・・すー・・・」 (けどずるい。寝てる間でさえこんなに素敵だなんて)
体の向きを変え、うつ伏せになって暫くの間。
頬杖をついて見蕩れていた啓太だが、ふと目の前に置いてある目覚し時計に視線を留めた。
針が指し示しているのは午前7時ちょっと前。
シャワーを浴び、きちんと朝食を取るならそろそろ起きないといけない時間である。
どうしようか迷いあぐねた結果、もぞもぞと動き出す。
そうして少しばかり距離が開いていた枕をすすすとくっつけると。
啓太はぽふん、と頭をそれに預けた。
(もうちょっとだけ)
もうちょっとだけ、見ていたい。
大好きな彼のこの表情を、独り占めしていたいのだ。
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なーんて思っていたら、起こすどころか自分が睡魔にやられてしまった。
そうなると当然おはようの挨拶は、しっかりと着衣を終えてしまった和希からで。
指で寝癖を直しつつも先を越されたショックを隠し切れない啓太。口から漏れる溜息は深く。
そんな彼に微笑みかけながら和希が自分の頬を、人差し指でちょんちょんとつついた。
「おはよう、は?」
日課になっていることではあるのだけれども。
未だに自分からするのは恥ずかしい啓太は、そこへ照れ隠しの為か怒った振りをしながら小
鳥が餌を突付くぐらいのスピードでキスをした。
「・・・おはよ、和希」
けれどその後で浮かんだ微笑みに。瞳に宿した甘やかな光に。
世界で一番幸せなカップルは自分達以外に居ないのでは無いかと思うほど、満たされた気分
の和希は。
我慢できずに啓太に抱きつき、きちんと締めていたネクタイをしゅるりと解いた。
聖'sコメント>この後第○ラウンド開始です。
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